ジムニーかモンキー125か、離島に強い相棒はどっちだ!

投稿者: | 2026年8月22日

群馬、栃木、福島、茨城。手帳を見返すと、ここ数年のドライブとツーリングの行き先はだいたいこの4県のどれかに収まっている。峠道と温泉と蕎麦屋、というのが自分の中の鉄板パターンになっていて、それはそれで悪くないのだが、ふと気づくと海をまともに見ていない。山に囲まれた道ばかり走っていると、たまには視界いっぱいに水平線が欲しくなる。

離島には一度も行ったことがない。橋で渡れる島ならともかく、フェリーに車やバイクを積んで渡る、という経験そのものがない。ジムニーもモンキー125も、これまで走ってきたのは山と峠と国道ばかりで、海に浮かぶ船の上で一緒に過ごす時間というのを持ったことがなかった。どちらも自分にとっては単なる移動手段ではなく、一人で抱えている考え事や気分転換をずっと預けてきた相棒のようなもので、その相棒と一緒に、いつもと違う景色を見に行きたいと思った。そう思ったのが今回の調査のきっかけだった。

まず気になったのは、そもそも日本にどれくらいの数の離島があって、そのうちどれだけが車を積んで渡れるのか、という基本的なところだった。調べてみると、全国の離島航路は283航路(令和5年4月時点)。ただしこのうち車両航送に対応しているのは一部で、小さな島や便数の少ない航路は旅客のみの高速船であることが多い。全国規模で「車ごと渡れる島」の正確な数を集計した公式統計は見当たらず、感触としては150〜200島程度という推定にとどまった。

近場から確認していくと、伊豆諸島は思ったより制約が多かった。伊豆七島(実質8島)のうち、車をロールオン・ロールオフ方式で積める、つまり自分で運転して船に乗り、自分で運転して降りられるのは、下田港発の神新汽船「フェリーあぜりあ」が結ぶ利島・新島・式根島・神津島の4島だけ。大島・三宅島・御蔵島・八丈島は東海汽船の大型客船が担当しているが、こちらは旅客船であって車両航送はできない。

あぜりあは10台限定・完全予約制。しかも運行方向が曜日で変わる。月・木・土は下田→神津島→式根島→新島→利島→下田、火・金・日は逆順、水曜運休。4島を順番に巡ろうとすると、進みたい方向の日にしか動けないため、実質1週間仕事になる。最初の1回は欲張らず、1島だけの往復から試すのが無難そうだ。

では大島・八丈島には車を運べないのかというと、そうでもない。東海汽船には「貨物」として車両を送る方法があり、竹芝の貨物営業所に自分で車を持ち込めば、伊豆七島海運の貨物船が運んでくれる。大島は週4〜5便で翌日到着、八丈島は週2便(火・土発)で同じく翌日到着。ただしこちらは自走で乗り降りするのではなく、無人の荷物として運ばれる方式なので、自分と車が別行動になる。

このあたりで、バイクの話を挟んでおきたい。同じ質問を、車をジムニーからモンキー125に変えて調べ直したところ、東海汽船ルートだけ様子が違っていた。以前は250cc以下のバイクを大型客船に受託手荷物として同乗させられたが、2025年12月31日受付分でこの制度が終了。今はバイクも自動車と同じ貨物船扱いになったものの、車の貨物輸送が週4〜5便・翌日到着なのに対し、バイクの貨物輸送は週1〜4便・預かりから到着まで2〜3週間かかる場合がある、という記述が公式にある。つまり大島・八丈島に限っては、ジムニーの方がモンキー125より運びやすいという、直感に反する結果になった。

小笠原の父島はさらに別枠だった。竹芝からおがさわら丸で片道24時間、運航はおおむね6日に1便。往復で最低1週間は見ておく必要がある。しかも島には海岸沿いの環状道路がなく、走れるのは西海岸沿いの道と島を南北に貫く尾根道のみ。止まらず走れば1〜2時間で終わってしまう規模で、「一周ドライブ」という体験そのものが地形的に成立しない。世界自然遺産らしく、外来種対策として靴底洗浄なども求められる。125cc以下のバイクは車と違って同じ船に同乗できる分いくらか身軽だが、根本の制約(週1便・往復1週間)は変わらない。

一番手応えがあったのは佐渡島だった。新潟港⇔両津港はカーフェリーが1日約7往復、所要2時間30分。伊豆諸島のような予約制の台数制限もなく、思い立ったら動ける頻度がある。一周約280km・車で7時間という規模で、大佐渡スカイラインという尾根を走る全長30kmの展望道路もある。直江津港⇔小木港という季節運航のルートもあり、行きと帰りで違う港を使う片道ドライブも組める。

ここまでは船の話だったが、自宅から港までの移動を考慮に入れた途端、話がもう一段変わった。モンキー125は124cc、いわゆる原付二種で、法律上高速道路を通行できない。自宅から新潟港までは、車なら関越自動車道で約4時間15分。ところがバイクは下道の国道17号ルートになり、三国峠を越えて8〜10時間かかる。この三国峠は、実はジムニーで何度か走ったことのある道でもある。関越道で一気に抜けてしまわず、あえて三国峠経由で新潟入りすれば、勝手知ったる峠道の楽しみと、まだ見ぬ離島という組み合わせが一度に味わえる。山越えと離島、一度で二度おいしいというのは悪くない発想だ。フェリー側の運賃だけを見ればバイクの方が安く身軽(新潟⇔両津の原付二種運賃は片道4,070円、車は15,000円前後)なのに、港までの移動時間を足すと、金曜夜に出て土曜夕方に帰るような弾丸日程は、ジムニーでは成立してもモンキー125では物理的に無理という結論になった。同じ理屈は下田港にも当てはまり、伊豆諸島でも弾丸はジムニー向き、モンキー125なら2泊3日以上の行程に切り替えるのが現実的、ということが見えてきた。

ここまで調べて、今のところの整理はこうなっている。弾丸で行くならジムニー一択で、佐渡島か伊豆諸島(新島・神津島)が候補。モンキー125で行くなら、弾丸をあきらめて2泊3日以上の”下道込みのツーリング”として組み直す必要があり、佐渡島がやはり本命になりそうだ。大島・八丈島はバイクとの相性が急に悪くなったので、行くならジムニーか、現地のレンタルバイクに頼ることになる。小笠原は車もバイクも関係なく、”行けるかどうか”自体が最大の壁として残っている。

まだ実際にどの島にも渡っていない。ここまでは机上の調査でしかないし、天候や休みの都合で計画通りに動けるとも限らない。それでも、群馬・栃木・福島・茨城のローテーションしか浮かばなかった行き先の候補に、初めて海の向こうが加わったことは確かだ。ジムニーで弾丸で行くのか、モンキー125で下道込みの長丁場を選ぶのか。次にどちらの相棒と組むかは、もう少し悩んでみようと思う。

なお、今回のリサーチで挙げた移動時間などは、その時の天候やドライバー自身の体調によって変わってくるものだし、料金や運航スケジュールも今後改定される可能性がある。あくまで調べた時点での目安として読んでもらえればと思う。

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